軽井沢の住宅

Kenta SANO and Associates, Architects
24. de gener 2023
All photos by Neoplus Sixten Inc.
敷地は軽井沢の中でも畑や住宅が混ざるエリア。新しく開発された住宅地であるが、東側に雑木林が広がり、足下には小川が流れる。
切妻のボリュームを一部切り取るようなかたちでバルコニーを設け、東(右)の雑木林側を正面とした。周辺の住宅が全て南向きに建つ中、南に開いても隣家が見えるだけなら、東でも眺望の良い側に向ける。こういったシンプルだが重要な提案をするのも建築家の大切な役割だろう。
東側から見ると二つのボリュームが積層されているように見える。
バルコニーの外周にレース状のカーテンを設えた。こちら側に人の視線はないが、景色を眺める際違った表情に演出できる。
バルコニーは片持ちで中央の一部のみ一階の梁で支えて、できるだけバルコニーの軽やかさを表現している。
バルコニーの屋根をポリカーボネートの波板にしてあるので光が透過している様子が分かる。
西側へ。1辺3間半の正方形平面、屋根は4間半の正方形。
ブロック塀の内側は自転車置き場であり玄関前の緩衝となる。右には枕木を敷いた駐車スペース。
隣家との距離は余裕があり、互いに塀などで関係性を分断する様子はない。
横使いの波形スレートに、玄関は木引戸と縦スリットの開口。
玄関ホール。寒冷地である軽井沢のこの辺りは、凍結深度70cm以上基礎を掘り下げる必要があるので、そのまま1階を半地下状に計画した。
正面が寝室で、右手に回り込んでウォークインローゼットと水回りとなる。左手階段下がトイレ。
寝室は今のところ親子一緒。子どもが大きくなってきたら仕切る予定とのこと。
掘り下げられた1階は開口から地面が近く、草花が目の前に見える。
長野に移住してから子どもはカーリングを始めたそうだ。左手の壁は鉄粉入りのホワイトボード塗装で、貼ったり書いたりが自由にできる。
2階へ。
2階はワンルーム。吹き抜けの奥行きが1間、バルコニーも1間、その間のLDKは1.5間といった恰好だ。
東側からの光は、西側の傾斜した屋根に反射し1階に導かれる。
アート好きの施主は所々にお気に入りのアートでアクセントを付けている。
リビングエリアは一段低く床座り、或いは窓際の段差に腰を下ろして寛ぐ。
ダイニングテーブルはバルコニーに延長して半屋外で使うこともできる。
明るいバルコニー越しに四季折々の彩りを楽しめる。
カーテン(安東陽子 制作)を閉めれば、モアレになって透ける違った景色を楽しめる。


「建築主から最初に相談を受けたのはコロナ禍前のことでした。軽井沢に別荘ではなく、日常的に住まう家をつくりたい。自然と地続きであることを感じられる住宅を目指しました。」と佐野健太さん。
配置図・平面図 >> PDFダウンロード
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【軽井沢の住宅】
設計監理:佐野健太建築設計事務所
施工:ばんだい東洋建設
用途:専用住宅
敷地面積:401.90 ㎡
建築面積:40.58 ㎡
延床面積:70.40 ㎡

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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