ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展「西田司さんの受賞を祝う会」レポート
今年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展にて、オンデザインの西田司が関わる日本館が審査員特別賞を受賞したことを受け、オンデザインが入居する横浜の「宇徳ビル ヨンカイ」を中心に組織さた実行委員会によって「西田司さんの受賞を祝う会」開催されたので行ってきました。
祝賀会の企画は「お盆前にやろう」という目標のもと急遽決定し、告知は開催の2日前だった。
会場は横浜港に面するBankART Studio NYK(バンカート)。
急な開催にもかかわらず多くの方がお祝いに駆けつけた。
ビエンナーレでの日本館のテーマは「en[縁]:アート・オブ・ネクサス」。20~40代前半の若手メインで12組の建築家の作品を紹介し、人の縁、モノの縁、地域の縁という3つの切り口で、建築という行為にまつわる、つながりや関係性を作品の主題として展示している。(2016年11月27日まで)
オンデザインでは2009年の作品「ヨコハマアパートメント」を出展した。
会場に入ると片隅では西田さんが直前までスライドの調整をしている慌ただしさ。
地元関内のCafe & Dining SAKAEによるケータリング
ビエンナーレの様子がスクリーンに映し出され雰囲気を盛り上げている。
西田さんがスライドの準備を終えたところで乾杯!
ヨコハマアパートメントをパートナーして(当時)共同設計した中川エリカさんと。
そして西田さんよりビエンナーレの様子が報告された。
息子さんが縦横にプロジェクターの前を横切り、大きな影を作るが全く意に介さない西田さん(笑
作品の説明は中川さんにバトンタッチ。
ちなみに中川さんは、ご主人 原田雄次さんが勤めるスミルハン・ラディックのオフィスがあるチリにしばらく行くが、原田さんがもう2年ほどスミルハンの元で働くことから、自身もチリに住まいながら海外の建築を勉強できる機会と捉え、日本での仕事も進めているのため、一時帰国もしばしばあるような生活になるとのこと。日本で建築の仕事を辞めチリに移住してしまう、というようなことはないそうだ。
>>ギャラ間で開催中の「スミルハン・ラディック展」レポート
プレゼンが終わると質問タイムに。
同じ港町にオフィスを構える田井勝馬さんから「西田さんにとって建築の美しさとはどのように捉えているか?」との質問に、、、
「好きな建築家の一人アルヴァ・アアルトが、『この白い壁は、何故この白を選んだのか』と質問された際、『ここに置かれる家具が一番引き立つ白を選んだ』と答えたという有名な話がありますが、僕は人が集まったとき、その背景にある建築がどのような美しさを持っていると、ひとが引き立つのかということを意識しています。」と逆説的に答えた西田さん。
中川エリカさんからも質問。「ヨコハマアパートメント前と後で建築に対する取り組み方や姿勢が変わったと思いますが、どのように変わりましたか。」との質問には、、、
「以前は設計を進めながらここはどうやって使おうとか、どう美しく作ろうかなどを考えすぎていた。しかしヨコハマアパートメントを作って、人や人の活動と建物がどうあるべきかに気付かされました。」と西田さん。
ヨコハマアパートメント竣工後、実際に家族3人(当時)で住んでみた西田家。人見知りで引っ込み思案だった娘さんが、社交的で明るくなったとか。
また当時2、3歳だった娘さんからは「狭かった!」との思い出話に会場は盛り上がった。
ここからは会場の様子をいくつか
(田中さんピンボケ申し訳ありません)
ヨコハマアパートメントのオーナー川口さんと(怪我のため車椅子で出席)。
会期:2016年5月28日~11月27日
会場:ジャルディーニ地区(Giardini di Castello)、アルセナーレ地区(Arsenale)など
詳細:www.jpf.go.jp/j/project/culture/exhibit/international/venezia-biennale/arc/15/