CRAFT SAKE WEEK 2025

MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO | 22. 4月 2025
All photos by Neoplus Sixten Inc.
「CRAFT SAKE WEEK」は、オーガナイザーである中田英寿が全国47都道府県をめぐり、各地で出会った日本酒・農業・工芸などの日本文化の素晴らしさと可能性を強く感じたことから、2016年にスタートしたプロジェクト。全国400以上の酒蔵を訪問してきた中田英寿と専門家により、厳選された酒蔵と世界トップクラスのミシュラン星獲得数を誇る日本の超有名レストランが集結。世界に誇る日本の食文化を体験出来るイベント。
会場デザインは毎回著名な建築家が手掛け、それぞれ異なるテーマを掲げユニークなデザインを披露してきた。
会場は六本木ヒルズアリーナ
会場の入り口付近には「本日の酒」が展示されている。
12日間の期間中参加総数120の酒蔵から日替わりでテーマに合わせて10蔵ずつ出店する。
>>酒蔵ラインナップ
(中田英寿プロデュースの「èks (エクス)」が登場する日もある)
会場では現金を使わずにこのコインで支払う。
こちらの「スターターセット」がオリジナルの猪口とコイン12枚で4,200円。受付で購入する。
追加のコインは10枚で1,600円から。
各酒蔵のブースで酒を選び、猪口に注いでもらう。
“価格”は4コインのものもあれば13コインのものもある。
10の酒蔵から3種類ずつ出ているので、30種類の中から選ぶのは大変だが、どれも間違いはない。
会場は冷えたお酒をもった方が巡回しているので、席で購入することもできる。
こちらの酒は福岡の喜多屋 純米大吟醸 50%磨き(5コイン)
レストランは15店が出店し、3回に分けて5店ずつが入れ替わる。
写真は清澄白河の創作料理レストランLol. のみかん猪のトマト煮込み(6コイン)
>> レストランラインナップ
そしてマウントフジアーキテクツの会場デザインのテーマは「棟上ゲ」
建物の骨組みが無事に立ち上がったことを感謝する上棟式。祝祭の場となることを演出するインスタレーション。
ヒノキの角材とテンセグリティ構造を用いて高さ約11mの架構を出現させた。
(テンセグリティ構造は堅い材ではなく、ワイヤーやチェーンのような張力材のテンションによって部材同士を安定させる構造)
近くでみると各材は直接触れず、ステンレスワイヤーでトラス状に引っ張り合いながら木材を保持していることが分かる。
押してもほぼ揺れず、構造的には安定し補助なしで完全に自立している。構造設計は佐藤淳さんが担当した。
施工については、事前に工場で縦横長短6本の木材をテンセグリティで固めたものを1ユニットとしてつくり、24ユニットを現場で組み上げた。
アンカーを打って直接床に施工することもできたが、施工時間や原状復帰のことを考え、無理せず重しに固定するかたちをとった。重しも"現場"の雰囲気に合うものを選んだ。
インスタレーションや舞台装置といった範囲を超えたほぼ建設作業なので、前田建設に協力を仰いだそうだ。
「グリッドが浮かぶような建築をいつか作りたいと思っていたが、今回ぴったりのものを実験的に手掛けることができたので、いずれ常設の建築でも実現させたいと思っている。」と原田さん
上棟には必須の上棟飾りに、縦60〜70cmもある特大のおかめ。
本日の酒が並ぶ展示台は120角のヒノキ材を地獄組みで設えた。材は富士市でプロジェクトが進行中ということもあって、富士桧を提供してもらった。
他に縁台と周囲のパーティションも担当した。
今回使った木材は小さな穴やビス留めしただけなので、イベント終了後建築に流用できるそうだ。
夕暮れ、仕事も終わり来場者が増えてきた。
ここで餅が投げられれば本当に上棟式の雰囲気だ。
辺りが暗くなるとワイヤーの存在が弱くなり、材が浮いているように見えてくる。
原田真宏さん、原田麻魚さん
「棟上式はたくさん経験していますが、華やかで楽しく何度経験しても嬉しい。そのとき必ず出てくるのが日本酒です。木造建築も日本酒も日本の風土の恵み。それらが響き合う習慣がとても良いと思いこの場に提案しました。」
【CRAFT SAKE WEEK 2025】
会場構成:マウントフジアーキテクツスタジオ
会期:2025.4.18-4-29
会場:六本木ヒルズアリーナ (東京都港区六本木6-10-1)
詳細:craftsakeweek.com

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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