第4回日本建築設計学会賞 受賞記念作品展

16. 6月 2022
All photos by Neoplus Sixten Inc.
日本建築設計学会賞コンセプト
「近年、国内に竣工した建築作品を対象とします。設計者の自薦だけでなく、誰でも街で見かけた好きな建物を他薦できる、開かれた賞であることを目指しています。選考にあたっては、若い世代に希望と勇気を与える賞でありたいと考えています。閉塞した社会にさわやかな流れをもたらすような作品を選び評価します。評価のプロセスや方法も開かれたものとし、建築という困難かつ魅力的な道を拓き進む者たちの道標となる作品を選んでいきます。」
大賞〈出窓の塔居〉 藤貴彰+藤悠子/藤貴彰+藤悠子アーキテクチャー
設計者の自邸兼オフィス。縁側のように連なる出窓を階ごとにぐるりと巻き付けることで、ひとりひとりが居場所を選びながら過ごせる。出窓では、座ること、机とすること、眠ること、棚として飾ること、様々なアクティビティが生じる。環境解析により、四季、時刻、階、方位で、様々な環境的特徴の居場所を内包する。
外壁には断熱性能の高い炭化コルクを使用した。
建物の角を落とすことで周囲に対して圧迫感がないようにし、住み手にとっては空地が生まれた。
〈湖月庵〉 芦澤竜一/芦澤竜一建築設計事務所+陶器浩一
合気道家の道場と一時的な住居。
合気道の螺旋運動を中心とした動きと、その身体運動からスタディし、流れるような胎内的空間にたどり着いた。ドーム状のシェル内外は地場の土を用い、内部に関しては手刀によって仕上げ、道場に多くの人の魂を注入した。
〈松原市民松原図書館〉 高野洋平+森田祥子/MARU。architecture
ため池や古墳がまちの中に点在する風景で、住宅地の中にスケールを逸脱した人工物が、永い時間を経ることで自然物のように存在している。それは建築的なスケールを越えた、ある種の土木的なものを想起させるものであり、この図書館がため池の中という特殊な敷地条件の中でつくられることのリアリティであるように感じらる。
>> Japan-Architects Magazine取材記事
〈甲陽園の家〉 畑友洋/畑友洋建築設計事務所
敷地までは細い道が何度も折れ曲がり建材の運搬もままならない。人の手で運び、組み立てられる方法として小さなピースの組み合わせでスパンを飛ばす形としてアーチに着目。LVL板材をレーザーで小さく切り出して組み合わせた。
アーチを十字型に組み、ヴォールト屋根を連続させた。
〈TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE〉 平瀬有人+平瀬祐子/yHa architects・佐賀大学
九州大学箱崎キャンパス跡地で解体直前だった洋館建築「九州大学松浜厚生施設」(1928) の部材を譲り受け、象徴的なファサードと室内の建具・階段を用いて新しい敷地で再構築した、住宅兼オフィス。
いわゆる文化財保存のように厳密な修理を行うのではなく、歴史的要素を選択し新しい建築に繋ぎ合わせる記憶の継承をコンセプトに掲げた。
〈House OS 3つ屋根の下〉 神谷勇机+石川翔一/1-1 Architects
見た目には一つの土地だが、宅地、農地(接道あり)、農地(接道なし)という3筆の土地からなる敷地。
3つそれぞれの土地の制約に適合した別の建屋(住宅、農業用倉庫、温室)を、境界線ぎりぎりに寄せ、一体につながるように建てることで、隣地境界線の存在が消え、大きなひとつの土地に建つひとつの家のように暮らせる。一方、それぞれの建屋の土地が異なることを示すため、3棟の間に隙間をつくり、光や雨、風の抜けといった環境による新たな隣地境界線を描き出した。
【第4回日本建築設計学会賞 受賞記念作品展】
会期:2022年6月6日〜6月24日(11:00−18:00、土・日休館)
会場:ASJ TOKYO CELL(東京都千代田区丸の内3-4-2 新日石ビル1F)
詳細:www.adan.or.jp/news/event/3587

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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