富永美保/tomito architecture「出来事の地図」展

Miho Tominaga
24. 9月 2022
All photos by Neoplus Sixten Inc.
〈展覧会コンセプト〉
その土地や人の経験を、より鮮やかに美しく感じられるような建築をつくりたい。またその建築が、その土地や人にあたらしく豊かな経験をもたらすものでありたい。
だからこそ私たちは、知ることとつくることを一緒にすすめています。
土地や人に宿る無数のバラバラな物語たちの中には、すぐにわかるものもあれば、顕在化していないものもあります。
探り続け、その関係を眺めること。
それらの学びの先に見つける建築を紹介します。
会場中央の柱の周りで紹介されているのが〈ライフの学校とつくる他拠点福祉PJ〉
仙台の特別養護老人ホームなどからなる福祉施設「ライフの学校 萩の風キャンパス」の前庭を改修することからはじまった複数のプロジェクト。
〈嫁入りの庭〉ライフの学校 萩の風キャンパス

生け垣で囲われ街から遮断されていた庭を、低木や草花中心に、散策路、畑を整備し、嫁入り道具のようにあちこちから運ばれてきた家具や道具などで構成し、街に開き街と一体となるような場をつくった。
〈ライフの図書館〉ライフの学校 萩の風キャンパス

嫁入りの庭に感銘を受けた地元の方が100万円を寄附。施設の塔屋に子どもたちが利用できる小さな図書館・学習室と家具をデザインした。
〈なみわけ荘–仮称〉就労継続支援B型(カフェ/飲食)/職員宿舎(シェアハウス)

1階に福祉施設。2階にライフの学校で働く外国人職員のための宿舎。宿舎の個室は小さいながらプライバシーを確保でき、共用部を横にも縦にも繋ぐことで施設全体に目や声が届く風通しのよい空間としている。
〈六郷キャンパス〉ライフの学校の複合福祉施設特別養護老人ホーム、看護小規模多機能居宅介護、保育園など

30人(10人×3ユニット)が入居できる特別養護老人ホームを中心とし、施設を街に開く仕掛けを設けながら、地域の福祉拠点を目指す。入居者の個室からは必ず庭やそこを行き交う人が見えるように計画。
スタディモデル。
〈大規模特養のゆっくり解体構想〉

静岡市にある老朽化した特別養護老人ホームを改修し、新築の施設に移転させつつゆっくり規模を縮小させていく計画。
既存施設は大部屋に同居という古い規格。RC造で改修がしにくく、運営しながらであるため、大きな工事の音がたてにくい状況で共用部の改修を進める。
計画中の新築棟は、コロナによる資金難で一時中断してしまった。
〈Y+W邸〉茅ヶ崎に建設中の二世帯住宅兼仕事場
WEBデザイナーと絵本編集者の夫婦であることから身の回りにクリエイティブなモノが多い。それらのものを散りばめながら家族の生活が次々と連なるように展開する。
独立後初めて建ち上がる新築プロジェクトということもあり、富永さんの思いがはち切れんばかりに込められた建築になるそうだ。
〈松代のヘアサロン〉長野県松代町の美容室+住宅+庭

烏骨鶏が闊歩する雑木林のような敷地、近隣にも開放され小径に近所の子どもが遊びに来る。そこにある空き家を改修し豊かな庭に接する美容室とする計画。2023年竣工予定。
耐震補強を兼ねた軒を挿入し、縁側をつくる。木架構越しにハイサイドライトを回す。
【出来事の地図 展/tomito architecture】
会期:2022年9月20日〜10月22日
開廊時間:平日9:00〜18:00、土曜 11:00〜18:00(日・祝閉館)
会場:プリズミックギャラリー(東京都港区南青山4-1-9)
詳細:www.prismic.co.jp/gallery/works/?p=3185

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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