相坂研介による横浜の「本牧の住宅」

Neoplus Sixten Inc.
14. 1月 2018
Photo by Neoplus Sixten Inc.
 

敷地面積267m2、建築面積158m2、延床面積206m2。木造2階建て。白とシルバーの外観が精悍な印象だ。
敷地は丘陵地で、右側(東)と奥(北)に落ち込んでいる。

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玄関ポーチ。西側は隣家の崖が迫り玄関前が暗くなりがちなので吹き抜けを設けた。また西側崖からの安息角で壁をセットバックしたため、家族4人の駐輪場となる長大な軒下空間が現れた。
 

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玄関から右はガレージに通じる。その奥にはシューズインクローゼット。階段の1段目と上がり框を同化させ、下足の脱ぎ履きの際腰掛けとなる。
廊下右にはトイレと、階段下に収納とワインセラー、左奥に水回り、右奥にLDKと続く。
壁が気持ち厚く見えるのは、不燃化推進地域によりプラスターボードが二重に張ってあるため。

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LDK。南北2面の大開口と、何よりも中央に四角形の吹き抜けが目を引く。
 

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吹き抜けにはハイサイドライトが設けられ西側からの光を取り込み、ラウンドした内壁を伝ってリビングに導かれる。日が傾いた時刻に訪問したが、西日がちょうど差し込む時間には少し間に合わなかった。
 

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照明を点けるとこのように。間接照明を多用し光に包まれるような空間だ。
 

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奥にある小上がりの畳スペースから。リビング、中庭、ガレージ、接道へ一直線と、南に向いたハイサイドへ視線が抜けていく。
 

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敷地の北と東は崖下になっている。そのためこちら側は安息角に掛かる部分に基礎を打てないので、規定まで基礎をセットバック。そのままでは床面積が十分に取れないので、1階スラブの一部を片持ちで突き出してる。それに合わせこの畳、ダイニング、キッチンが小上がりになっているというわけだ。
 

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崖の突端にはダイニングを配置し谷を見下ろすポジション。床が上がった分、天井が低くなり、結果景色を切り取るような低目の開口となった。
施主はこのロケーションを最大限活用出来る建物を望んだ。(既存ではそうはなっていなかった)

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奥さまの好みに合わせたステンレスを多用したキッチン。
 

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洗面に鏡が多いのは娘さんが2人いるため。脱衣所側と仕切ることもでき、将来に配慮してある。角丸の鏡の周囲にはこの後ワーロンを巻き、より柔らかな光になる。
 

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2階。フランスでの生活経験がある施主はコルビュジエの、しかもサヴォア邸の大ファンだそうだ。「水平連続窓」、「スロープ」がここで現れた。
 

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主寝室。「白い壁とパステルカラー」をここから3カット紹介。
 

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子供室は間にウォークスルークローゼット。両引戸にパステルカラー。
 

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トイレも。
 

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一度外へ出てガレージから外部空間を巡ってみる。
 

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中庭と屋上へアクセスする階段。
畳スペースの箇所で説明した1階スラブが片持ちされているのが右手に見える。

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階段はもう一つあり、屋上と庭を回遊できるようだ。
 

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サヴォア邸最後の要素は「屋上庭園」だ。上下の庭を思い切り駆け回ることが出来る「立体回遊性」示唆するように、「シルバーのリボン」が建物をくるんでいるのがお分かりになるだろうか。

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片隅にある水場には家族の記憶を残した。

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廊下にあったスロープは反対側の屋上にも表現されている。
 

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相坂研介さん(左から二人目)とスタッフの皆さん。
「お施主さんからは、サヴォア邸の要素や、眺望、娘さん二人が『年頃』になってからも住みやすくする、など明確なテーマをいただきました。それらを踏まえ、3方が崖という厳しい条件をクリアしながら、空間を立体的に体感できるような住宅を提案しました。」

【本牧の住宅】
 
建築設計:相坂研介設計アトリエ
構造設計:馬場構造設計事務所
施  工:大同工業株式会社

 
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