西田司/オンデザインによる仕事場兼住宅「ON / OFF balance」
西田司+棗田久美子+佐治由美/オンデザインパートナーズによる目黒区の仕事場兼住宅「ON / OFF balance」の内覧会に行ってきました。
東急東横線・学芸大学駅から数分の場所。
敷地面積60m2、建築面積35m2、延床面積81m2。木造3階建て。
既存敷地が小さく三つに分筆され、北側斜線なりに大きく片流れのボリューム、という都市型の典型的な住宅に見えるが、中は想像とは全く異なっていた。
外装はガルバリウムの波板、いわゆるトタンで敢えて倉庫のような雰囲気にしたという。
ファサードに照明が突き出ているが、来客もある仕事場兼であることから看板が取り付けられるそうだ。
また今後、施主の自主施工によって、前面にパーゴラやテントの囲いを設え屋外でワイワイできるようにするとか。(向かいは線路の高架)
中へ入るとシルバーとクレーの空間。
家族4人の住居と、仕事場が2つ、それを24坪の中に計画した。
やけに明るいので見上げると3階までの吹き抜けと大きなトップライトが見えた。
室内も倉庫の雰囲気だ。壁はフレキシブルボードで汚れが味になっていくのを楽しむそうだ。
照明やスイッチパネル、ドアノブなど細かな設備の多くは施主が用意した。
1階の奥は、奥さまの仕事場であるメークアップスタジオで、手摺壁に鏡を張った。
2階へ。足元のキャットウォークには施主指定のアルミの縞板が張られている。住宅の床で見たのは初めてだ。
振り返るとクリエイティブディレクターであるご主人のスタジオ。
こちらも倉庫ライクで、窓はポリカーボネートの板がはめ込んである。
床は足場板。そして壁はこれから塗装し、部屋のサイズに合わせたデスク、開口上部に突き出し窓を設えるなど、DIY好きなご主人が自ら作り込んでいくという。
リビングと、右がトイレ。1階から床の縞板までは下足のため、リビングへの小上がりの下が下足入れになっている。
トイレの窓にはご主人がデザインしたグラフィックが手描きで仕上げられるため、その下書が貼ってある。
リビングからの見下ろし。来客も多いので1階はパブリック色が強いがDKでもある。2階にもスタジオ、しかしリビングもあるといったパブリックとプライベートの中間領域。
キャットウォークの端部に白い小さなキューブが見えるが、、、
拡大するとこのように。2階のみにあるトイレを使用中のとき行灯が点灯する仕掛けで、1階或いは3階からも見える位置なのでトイレの使用状況が分かるのだ。(カッティングシートの下書が貼ってある)
3階へ。
3階はプライベート性が高まるフロア。手前からクローゼット、洗面、浴室、寝室、背後に子供室がレイアウトされる。
トップライトはご覧の大きさで、曇天にもかかわらず純白の空間が眩しいほどだ。施主の希望で1、2階とは異なるシーンへの切り替えを演出している。
寝室は小屋裏の雰囲気。
子供室は上下に、L字型の2段ベッドのように配した。
子供室から。寝るだけの空間とした潔さ。
右手開口からバルコニーへ出られる。
右から西田司さん、佐治由美さん、棗田久美子さん。
「クリエイターのご夫妻ということもあり、イメージや細かいディテールの意志をはっきりとお持ちでした。ここは仕事場でもあるので来客もありますが、スペース的にどこかを隔離するようなことは難しいので、シチュエーションによって、パブリックとプライベートが融通し合い、各スペースがON / OFFを切り替えながらこの吹き抜けを介して様々なシーンを生み出していくような、新しいワーク・ライフ・バランスの提案です。」