高野保光による世田谷区の住宅「代沢のスタジオ」

Neoplus Sixten Inc.
10. 5月 2018
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積93m2、建築面積47m2、延床面積124m2。木造3階建て。
前庭には駐車スペ−スと植栽だが、小さな公園のような雰囲気に演出されている。

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1階に横一面の開口を設けつつ駐車スペースを確保するため、1階部分を斜めに後退させた。結果、表情豊かで人を呼び込むような玄関ポーチが生まれている。
ポーチは洗い出しと鉄平石の仕上げで、そのまま土間へ連続する。

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土間は吹き抜け。施主は写真家で、ここを “ギャラリー” と呼び活用していくそうだ。2階とは垂直に連続し、3階の奥まで見通せる。
1階奥は仕事場である写真スタジオ。

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スタジオは半地下に掘り下げ、天井高を3m取った。土間の床下は収納に。

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2階への螺旋階段に合わせ、壁をハーフパイプ状に造形。
左の収納は下足入れ。”玄関” としての存在は曖昧だ。

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2階に上がると坪庭が現れた。向かいからの視線を遮りながらも、光、開放感、緑を享受できる装置といえる。

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模型を見ると、ベースはシンプルな切妻ボリュームで、サクッと切り取ったような箇所が効果的な開口と視線の抜けを作りだしている。

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吹き抜けはガラス引戸で仕切ることができる。

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2階LDK。隣家が迫るため2階側面には殆ど開口を設けず、トップライトやハイサイドライトを多用した。曇天でも十分な自然光が得られている。

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ダイニングの椅子は施主のものではなく、高野さんがデザインし「遊座」と名付けられた椅子。

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2階の和室から坪庭を眺められるという、この規模の住宅ではなかなかない贅沢な設えだ。
庭は人工土壌で重量を抑えてある。

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3階へ。光が降り注ぐ吹き抜けで2階と3階を繋ぐ。

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ハイサイドライトは南向きで幅4.4mの出窓になっており、際にはプランター用に防水された溝が設えてある。

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3階。造り付けのデスクを中心としたフリースペース。前庭まで視線が抜ける。
3階奥には寝室やクローゼット、手前には水回り。

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浴室は先ほどの出窓と植栽が空間を演出してくれる。

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寝室。コンパクトで小屋裏のような落ち着く空間。そしてここでも吹き抜けへ視線が抜ける工夫がされている。

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振り返ると曲線で切り抜かれた開口。現場で高野さんがフリーハンドで描いた。

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くぐると半ヴォールトのもう一つのフリースペースへ。住まいながら使い方を考えていくそうだ。

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高野保光さん。「昔の自転車屋さんのように、1階は街に開いて外から中の様子が見えるように、、、というお施主さんの思いがあります。街に開きながらも上階は生活の場としてプライバシーを守られるよう工夫されています。都心の限られた敷地ですが視線はできるだけ抜け、光に包まれながら緑を身近に感じられるよう計画しました。」

【代沢のスタジオ】
設計:遊空間設計室/高野保光・小林敏
構造:正木構造研究所
施工:江中建設
造園:青山造園

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