河野有悟による大田区の「南雪谷の家」
Neoplus Sixten Inc.
19. septembre 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.
河野有悟(河野有悟建築計画室)による大田区の「南雪谷の家」を見学してきました。
最寄り駅は東急池上線 雪が谷大塚駅。
(※9月19日発売の新建築 住宅特集2016・10月号 "テラスの極意" に掲載されている作品です)
敷地面積170m2、建築面積102m2、延床面積229m2。木造3階建て。
大きなボリュームを上下・左右方向に割ったような構成で、1階に親世帯、2~3階を子世帯とする二世帯住宅だ。
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左手が南になるが、そのままでは1階に外光を得にくいため、片手を上げるようにハイサイドライトの開口を設け光を導いている。
それに伴い立ち上がった斜めの壁は2階のプライバシー確保に活用されている。
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1階の室内から見るとこのように。住宅密集地ゆえ、南側に迫る隣家に対して積極的に開口せず、ハイサイドライトから間接光を得ているのがよく分かる。
奥と手前に見える梁を利用して、引戸で仕切り個室を作ることができる。
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奥からの見返し。
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奥の個室は庭に面している。見えるのは子世帯側で、庭を介して通じることができる。
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子世帯へ。左の黒いガルバリウム張りは親世帯だが、奥にキッチンの開口があるので、孫たちが「おばあちゃん行ってきまーす」といった具合に声を掛けられる。
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玄関を入ると正面に和室。
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和室は床の間も入れて9畳。久しぶりに広い和室を拝見した。
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雪見障子を上げると縁側と、先に紹介した庭に連続する。
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2階は筆者の背後に映像作家であるご主人のアトリエ、前方にダイニングスペースとその左にキッチン、リビングスペースと続く。
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リビング側から。南(左)はルーフバルコニーで、全面開口で連続する。
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家族皆が集まれる広いリビングは、さらにルーフバルコニーへ広がる。
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リビングには親世帯で見られたようなハイサイドライトより外光が降り注ぐ。
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ダイニングスペースはすこしバルコニーへ突き出している。
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ルーフバルコニー。親世帯と子世帯の間に生まれた都会のプライベートスペース。奥行きは約10m、幅は広いところで約5mある。
もちろん軒にはハンモック用のフックが備えられる。デッキはレッドシダーにグレーを塗ってから拭き取り、ニュートラルな色に仕上げた。
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傾斜壁には植栽の手入れ用階段が数カ所ついている。
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オープンでパブリック的な2階から、プライベートな3階へ。筆者の背後に主寝室、右側に水回り、子供室と続く。
頭上には傾斜した天井に沿って光が落ちるよう照明が設えてある。
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子供室。左側は就寝スペースで将来二部屋に分割もできる。
北側斜線による傾斜天井の下にはスタディデスクを作り付けた。高さが取れない部分に座って利用するスペースを持ってくる効率の良い設計だ。
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北側のトップライトなので明るすぎず机上を照らす。足元が斜めになっているが、2階のハイサイドライトに見えた部分。
建築設計:河野有悟建築計画室
構造設計:Scube
施行:山庄建設
敷地条件:準防火地域、近隣商業地域、第一種中高層住居専用地域