畝森泰行展「ゆっくり庭をつくるように」

Hiroyuki Unemori
6. 12月 2023
All photos by Neoplus Sixten Inc.
展覧会コンセプト:
建築は、強く固定的な存在でありながらも、曖昧で他律的な側面をもつと言えます。私はそういう建築の不確かな部分に惹かれます。朧げで変わりうるところがあるからこそ、緩やかに動く自然や異なる他者と結びつく可能性をもつものであり、それが今、バラバラな個人をつなぎ、早すぎる時間を緩め、閉じた世界をほぐすことになるのではないだろうか、そう期待するのです。この不確かで曖昧な存在を今回私は「庭」と呼ぼうと思いました。
本展は、畝森泰行建築設計事務所と丹羽建築設計事務所の共同設計で進行中の、岡山県奈義町〈奈義町立中学校〉建て替え計画を中心に、過去の作品と4つのテーマで比較するようなかたちで展示されている。
まずエントランスコリドーでは “変化する断面” というテーマで開放感や静けさ、明暗や周辺との距離、眺望や風の抜けなどの環境の差異と変化を、またその空間を断面から考える。
過去作品を中心としたエリア。
“形に向かう朧げなイメージと言葉”
必ずしも明確ではない曖昧な言葉やイメージを行き来するプロセス。その反復や時間が形をもつ建築になる。
 “異なるものの集合”
部材の大小、重さや軽さ、素材の違い、それら異なるものの組み合わせと集まってできる全体像を考える。
〈東京の住宅〉2019
〈父子の家〉2022
〈Houses〉2022
進行中の奈義町立中学校を中心としたエリア
“曖昧な外部”
中をつくりながら外を考える。と同時に、色々なことを許容する曖昧な外を考える。
〈奈義町立中学校〉2024予定
人口約6,000人の町の中学校の建て替え計画。敷地中央に大きな屋内広場(ナギヒロバ)を設け、全体集会や日常的な生徒の居場所、また地域との接点となる場になることを考えた。その屋内広場棟から腕を伸ばすように、教室棟や図書棟、駐輪棟などを配置する。全体で十字の平面形となり、またコーナーに配置した屋内広場やグラウンドと合わせて、学習スケールの大小や時々の気分によって環境を選びながら学ぶことのできる新しい学校を目指している。
ナギヒロバを中心としたT字型部分は完成しており、現在二期工事で十字の上部分が工事中で、2024年完成予定だ。
奈義町立中学校のスタディ模型。
12月16日に西澤徹夫と増田信吾を招いたトークイベントが開催される。当日先着50名とのこと。
【畝森泰行 ゆっくり庭をつくるように】
会期:2023.11.11–2023.12.23、
時間:平日10:00–18:00、土日祝13:00– 18:00、休廊日なし、無料
会場:プリズミックギャラリー(東京都港区南青山4-1-9)
詳細:https://www.prismic.co.jp/gallery/works/?p=3695

トークイベント
登壇者:畝森泰行、西澤徹夫、増田信吾
開催日時:2023年12月16日(土) 、16:00-18:00
参加費用:無料
参加方法:当日先着約50名

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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