段庭の家

Niji Architects
13. 十一月 2022
Photo: Kazuhisa Ishikawa
アプローチを少し歩いたところですぐに一つ目の段がはじまる。
Photo: Kazuhisa Ishikawa
旗竿敷地で周囲の住宅は建て込んでいるが、活動的に過ごせるよう庭が欲しい、しかし約93㎡の敷地で建物をコンパクトにして庭を設けても十分ではないことから、上面全てをデッキ張りとして広い “段庭” を実現させた。法定建蔽率は40%だが、手前の二段は高さ1m以下のテラスなので床面積に算入されない。三段目2階が玄関で、さらに梯子で四段目、五段目の屋上へと続く。
Photo: Kazuhisa Ishikawa
最上部(屋上)から。住宅密集地において全面で陽の光を享受できる “庭” が生まれた。近隣からの視線はというと、どの家も南側以外は小さな窓で周囲に対して閉じているのでさほど気にならない。
デッキはテントを張っても十分な広さでお家キャンプもできる。いずれプランターが置かれ、緑の段庭になっていく予定だそうだ。
Photo: Niji Photo
玄関を入って2階DK。玄関の存在は曖昧で、どこからでも外と連続する。デッキは少しレベルを上げることで中から見ると外部のデッキが近くなる。
コロナ禍でホームワークできる環境や、小さな子どもが家でも延び延び遊べる環境で且つ目が届くようになど、職・住・育の距離感が近くなることを求められた。
Photo: Kazuhisa Ishikawa
ワンルームを床だけで区切り、一筆書きの手摺りが各フロアを軽やかに繋ぐ。
キッチン周りはサンワカンパニーで選んだ。
Photo: Niji Photo
1.5階へ降りてコンパクトなリビング。右手はトイレ。
Photo: Niji Photo
リビングの次は1m程掘り下げた寝室兼書斎+クローゼット。
2階と気配が通じるように天井に隙間が開けられている。
Photo: Niji Photo
2.5階には何とフルオープンの浴室がある。立体的に大きく抜けるこの住宅で、壁で囲われた浴室があっては野暮だろう。もちろんカーテンは取り付けられる。バスタブはドイツのinnoci製。
Photo: Kazuhisa Ishikawa
浴室から。光溢れるサンルームのようだ。右手は家事の作業台や洗面台が造り付けられている。ファーストプレゼンで施主の心を掴み、その後バスタブの位置が変わった程度でほとんど設計変更はなかったそうだ。
Photo: Niji Photo
谷口真依子さんと原田将史さん。
「『段庭の家』は前回取材いただいた『段の家』と同様にコロナ禍に入ってからご依頼いただいた都内の住宅地における住宅です。狭小で密集地の敷地条件ですが、建築を内向的に小さく作るのではなく、外との繋がりを意識して無限の広がりを作り出しています。数値で見る面積からは想像できない広さを感じ取ることができます。『段庭の家』は敷地をとことん使い倒すことのできる家としてコロナ以降の新しい住まいの在り方と考えています。」
Photo: Neoplus Sixten Inc.
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【段庭の家】
設計・監理:ニジアーキテクツ一級建築士事務所/原田将史+谷口真依子、担当 向咲重
構造設計:平岩構造計画
施工:山菱工務店

主要用途:個人住宅
構造:木造
面積:敷地面積93.30m²、建築面積43.75m²、延床面積73.07m² 施工床面積131.39m² 
規模:地上2階建

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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