工学院大学藤木研究室の環境建築・実験建築 2001-2024 展
Ryumei Fujiki
4. 6月 2024
All photos by Neoplus Sixten Inc.
「工学院大学藤木研究室の環境建築・実験建築 2001-2024」展レポート。2026年春に退官を迎える藤木隆明が大学の研究室や、F.A.D.Sと協働したコンペプロジェクトなどの成果を紹介する。
The Environmental and Experimental Architecture of Fujiki Studio, KOU : : ARC 2001 - 2024
【展覧会主旨】
建築デザイン学科 藤木研究室はこれまで、国際コンペでのグランプリ受賞、卒業設計日本一、イギリスでの個展(招待)開催など、数多くの成果をあげてきました。これらの成果を一堂に集めて24年間の軌跡を辿る展覧会。
会場は工学院大学新宿キャンパス地下1階のラウンジ "B-ICHI”。新宿駅西口の都庁方面に続く地下道から同大に入ってすぐ。
藤木研究室のテーマは展覧会のタイトルにもある "環境建築・実験建築” で、自然や環境をキーワードにした親自然的な建築、自然の仕組みを応用して新しい建築を創り出そうという研究を行っている。
パネルを見て分かるが、いわゆる我々が “普段目にする建築” の姿はない。
テーマ性のある国際コンペや国際デザイン賞、アートイベントなどに意欲的に出展し成果を上げている。
学生たちも自らコンペに挑戦したり、卒業設計をコンクールに出品し多くが優秀な成績を収めている。
〈建築の植物化〉2004
韓国太陽エネルギー学会主催:
太陽エネルギー建築・国際設計競技[最優秀賞]
太陽エネルギーを最も効果的に利用する植物の葉の配列や葉緑素、気功などの働きが “来たるべき建築” のモデルとして提案。粒状の発電セルを想定し光を透過するソーラーパネルの屋根をもつ。
〈人工地形〉2011 / F.A.D.Sと協働
神戸ビエンナーレ2011 国際公募入選
アートインコンテナ国際コンペティション[神戸ビエンナーレ大賞]
イタリア A’ Design Award 2011-2012[プラチナ賞 (最高賞)」
ドイツ Iconic Awards 2013[ベストオブベスト (最高賞)」
(Photo: Masahiro Hoshida)
コンテナの中に作られた “不定形で柔らかなシームレス空間”。柔軟なポリオレフィン発泡樹脂板を積層し、不定形な中に体を当てどこかに自分にフィットする場所がある。
〈呼吸する外皮〉2015
Tokyo Design Week 2015「インタラクティブ建築模型展」選出
ダブルスキンのファサードで気候に合わせて内皮と外皮の開口率が複雑に変化し、快適な内部環境を保つ仕組みを提案。
〈architecture to life〉2018
せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦2018[日本一]
赤レンガ卒業設計展2018[優秀賞]
2018年卒業の渡辺顕人さんの卒業設計で、ファサードが環境に合わせて生物のように変化する建築。外壁パネル内の10ヶ所に設置されたモーターが外部の音に反応して内側からパネルを押し出すことにより、ファサードが複雑な曲面を生成する。
※会場では動画で見ることができる
〈多孔体:2畳 ⊂ 4.5畳〉2018 / F.A.D.Sと協働
越後妻有アートトリエンナーレ 2018 国際公募入選
イタリア A’ Design Award 2018-2019[銀賞]
人が中に入るとそれを感じ “呼吸” をはじめる茶室。子どもたちが自分で和菓子を作り、この茶室で両親をもてなすという「子どものための和菓子作りワークショップ」に用いられた。
会場にはモックアップが展示されており、近づくと膜が呼吸する仕組みが見られる。
〈一本のリボンでつくり出すフェニックス〉2023
ランドマークコンペ@福井市問屋町[優秀賞]
ビルの塔屋に設置する、問屋街のランドマークとなるオブジェのコンペ。アルミの帯を波形に固定し強度を持たせ(二つ対に設置することで)福井のシンボルであるフェニックスに見立てたデザイン。
〈浮遊都市〉2024
川田花月さんの卒業設計。高密度になりすぎた地上から都市を浮遊させ人の居住域とし、地上は森林と食料生産、動物たちのために利用する。外気より内部の気温が若干高いだけで15km2を浮上させる。複雑な計算をこなし、理論上3万人が住める都市を設定している。
3Dプリンターで出力した1/5000模型
会場には交代で学生が詰めているので声を掛ければ説明してくれる。
藤木隆明さん
「24年前、工学院大学の建築学科に環境コースができた際着任しました。その後建築学部ができ建築デザイン学科となり、その後も一貫して環境をキーワードに建築を新しくするきっかけにできないか、また、できるかどうか分からないが挑戦してみようと実験的な建築も学生たち一緒に考えてきました。それらの成果を是非ご覧ください。」
【藤木研究室 環境建築・実験建築 2001-2024 展】
The Environmental and Experimental Architecture of Fujiki Studio, KOU : : ARC 2001 - 2024
会期:2024年6月3日〜6月15日、10時〜18時
会場:工学院大学新宿キャンパス地下1階 B-ICHI (地下1階入口側 )
東京都新宿区西新宿1-24-2(新宿駅西口から徒歩5分)
入場:無料
詳細:www.kogakuin.ac.jp/news/2024/050904.html
Posted by Neoplus Sixten Inc.
The Environmental and Experimental Architecture of Fujiki Studio, KOU : : ARC 2001 - 2024
会期:2024年6月3日〜6月15日、10時〜18時
会場:工学院大学新宿キャンパス地下1階 B-ICHI (地下1階入口側 )
東京都新宿区西新宿1-24-2(新宿駅西口から徒歩5分)
入場:無料
詳細:www.kogakuin.ac.jp/news/2024/050904.html
Posted by Neoplus Sixten Inc.