槇事務所創立50周年展 レポート/ヒルサイドテラス
Neoplus Sixten Inc.
10. 11月 2015
Photo by Neoplus Sixten Inc.
10月17日より代官山のヒルサイドテラスで開催の「Fumihiko Maki, Maki and Associates 2015: 時・姿・空間―場所の構築を目指して」展にオープニングに行ってきました。槇総合計画事務所創立50周年を記念し、代表作であるヒルサイドテラス内の3会場を使っての大規模な展覧会だ。
ヒルサイドテラスF棟・ヒルサイドフォーラムの会場。こちらでは近作や完成予定の作品をメインに展示。
展覧会概要。「建築家槇文彦の主宰する槇総合計画事務所は、今年2015年には創立50周年を迎えます。 それを記念して開催される今回の展覧会では、モダニズムの建築家としての槇文彦の半世紀にわたる活動の軌跡を、 そのデザインチーム槇総合計画事務所との作品の模型、図面、スケッチ、映像などを通して紹介します。 また、この展覧会は半世紀にわたる設計活動の背後にあって、何を重要視し、何に関心をもってつくってきたか、 その結果生まれた数々の作品の成果だけでなく、その後、どのような社会性を獲得してきたかの記録でもあります。」
※会場内は撮影禁止の箇所もありますが、会場にて槇さんより特別に撮影・掲載の許可をいただいております。
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ギャラリー1
〈名取文化会館多目的ホール 希望の家〉2012、〈孤児の家〉アンビルト、〈パラオ海洋研究所〉、〈浮かぶ劇場〉1996。
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ギャラリー2
〈スカイライン・オーチャード・ブルバード〉シンガポール/2015
高さ147m、33階建ての高級レジデンシャルタワー。居住部を地上から20m持ち上げ、低層部の住居にも見晴らしの良さを確保。緑豊かなランドスケープとともに、タワーのバルコニーも緑で取り囲まれた、森の中にそびえ立つタワーを意図。
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〈海上世界芸術文化中心〉深圳/2016
蛇口の海上世界エリアの業務・商業・住宅開発計画の核をなす、美術館、劇場、多目的ホール、商業施設を含む複合文化施設。形態は周囲の海や公園、山との力強い繋がりを示唆するような構想。外部との連続性をもつ内部のヴォイドに回遊動線が巡り、多様なプラグラムを楽しむことができる。
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〈シンガポール・メディアコープ〉シンガポール/2015
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ギャラリー3
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〈東京電機大学 東京千住キャンパス Ⅰ・Ⅱ期〉足立区/2012・2017
100周年記念キャンパス。低層部とセットバックした高層部からなる3つのタワーの集合体で、公共性の高い空間と統合し、特色ある街並みの創出を目指した。塀のないオープンなキャンパスのため、人々の多様な活動が街の風景を生み出している。
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ギャラリー4
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〈長野市第一庁舎・長野市芸術館〉長野市/2015
通り沿いの軒の高さを抑え、ファサードの分節化によってヒューマンスケールの街並み形成を目指す。緑豊かで落ち着きのある「現代の境内」として建物周囲を整備。
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〈津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス〉渋谷区/2009
敷地のコーナーには30年ほど前に槇事務所が設計した津田ホールが隣接し、津田塾が都市部の拠点として新たにキャンパスの整備を行った。千駄ヶ谷特有の文教的な景観に配慮し、高さを抑えた3層と5層のコンプレックスで構成され、駅前ながらヒューマンスケールのキャンパス。
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フォーラム
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〈ビハール博物館〉インド/2015
ビハール州は釈迦の生地。周辺に伝わる貴重な仏像等を中心に収蔵される博物館で、国際コンペによって勝ち取った。他のコンペティターがマッシブでアイコニックな凝塊建築であったのに対し、槇案は長さ500mの敷地全体を活用し、要求プログラムをキャンパス的に展開した。
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〈4 ワールド・トレード・センター〉ニューヨーク/2014
約300m、64階建ての超高層ビル。上層のオフィス部分は徹底した「ガラスの彫刻」を目指した結果、時々刻々と表情を変化させながら周辺のスカイラインの中で鋭いアイデンティティを確立している。時に周囲を映し込み存在を消し、虚しい相を呈することがあるが、それは短命におわった旧WTCへのオマージュとして理解することもできる。
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〈アガ・カーン ミュージアム〉トロント/2014
設計に先立ちアガ・カーン自身から送られた手紙には、イスラム建築で如何に自然光が重要であるかが述べられていた。その意を受け、最も白色に近い花崗岩としてブラジル産の特定のものを採用し、自然光に対して鋭敏に反応できるようにした。2層の建物を一層目で屈折させ異なった陰影を外観に与える。
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中庭の周囲に吹き抜け空間を設け、それを囲むガラススクリーンにイスラム的パターンを与え、周辺の内壁に様々なパターンの影を落とす。この空間には異なる性格や用途を持たせ、美術館として最もインフォーマルな情景が常に展開している。
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〈新国連ビル〉
国連は施設の拡大充実を図るため、現キャンパス南側の隣地に施設の提案を、プリツカー賞受賞者に限定された国際コンペによって求めた。多くの選考行程の後、槇案が採択されたが諸事情により直ちに実現はしなかった。しかし他施設の改修計画に伴って改めて槇案の最適性が確認され、現在国連総会にて承認を得るための具体案が進行中。国連の中立と平和を象徴する色として、マンハッタンのスカイスクレーパーの中で最も白さを感じさせる建物を目指している。
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別棟の会場であるヒルサイドプラザ
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こちらの会場では、過去50年間に完成した単体の建築から、大学キャンパスの計画を含めた集合体が、どのようなコンセプトの元で実現されたかを、またそこから生まれた数々の情景を紹介。
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〈シンガポール国立科学技術専門学校〉シンガポール/2007
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〈ヒルサイドテラス Ⅰ-Ⅵ期〉渋谷区/1969-1992
※Aギャラリー(A棟)は時間の都合により取材できませんでしたのでご了承下さい。
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懇親会の一コマ。左から山本理顕、植田実、北山恒、松隈洋、槇文彦、原広司の各氏。
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最後に筆者が記念撮影の大役を仰せつかり、皆さんで一枚。
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展覧会に合わせ、鹿島出版会より刊行された「槇文彦+槇総合計画事務所2015」/槇文彦:編著
会期:2015年10月17日 - 11月29日
会場:Aギャラリー(ヒルサイドテラスA棟)
ヒルサイドプラザホール(ヒルサイドテラス)
ヒルサイドフォーラム(ヒルサイドテラスF棟)
詳細:www.hillsideterrace.com/art/151017.html