堺区の家
FujiwaraMuro Architects
15. 11月 2019
Photo by Neoplus Sixten Inc.
藤原・室建築設計事務所による堺市の住宅「堺区の家」。部屋の中央にサンルームがあり、帷を思わせる壁が並ぶギャラリーのような家。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
外観はシンプルな切妻の平屋。前面に広い駐車スペースあり、自転車を中に納めるために引戸の玄関と、スロープを備えている。
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玄関を入ると左右に振り分けられてた動線をもつ。こちらは左。
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右を向くと、手前に自転車置き場、その先に家事室とキッチンが見える。
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中に入ると外観からは全く想像出来なかった光景が現れた。中央にガラス張りの部屋、その周りに各部屋やスペースが取り囲むように配されている。まだ未完だが各部屋の建具が入れば周囲からの光は抑えられ、天井に穿たれた孔からのみ光が差し込むことになる。角度の異なる面が幾つも見え、どのような構成なのか、何かルールがあるのか暫く見渡して観察する必要があった。
Image by FujiwaraMuro Architects
平面図を見ると分かりやすい。正方形に近いシンプルな外形を持つため、一部を45度振ることで変化が生まれ、変形のサンルームと二つの角に坪庭をつくり出した。交通量の多い道路に面していることから、直接開かずに外の気配を取り込もうとした結果だ。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
ガラス張りの部屋はサンルームで、4畳くらいあるだろうか。バーベキューをしたり、植栽を置いたり、子どもが水遊びを出来るようにFRP防水で排水溝を設けるなど、かなりアクティブなスペースとして活用する。
この後、サンルームには框付きの引戸が二枚入る。左に見えるキッチン周りの収納もまだ建具が取り付けてない状態。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
壁の上部から光が注いでいるのはトップライトがあるためだが、これらの壁は独立したタワー状の壁で、構造とは切り離されている。(揺れ止めのため補助的に梁に接続している)
Photo by Neoplus Sixten Inc.
トップライトは部屋度同士を横断しているため、ガラスで仕切られている。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
光は壁伝いに降り注ぎ、アートを飾るための光る展示壁としてはたらくのだ。夜は孔に仕込まれた間接照明で壁が光る。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
複雑な形状なうえに、複雑な開口を持つ和室。梁は一体どのように組まれているか容易には想像できない。
左奥に坪庭が覗く。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
和室の奥から。45度に振られ変形した部屋ではあるが、対角に空間の奥行きを生むための重要な構成。
設計では平面にまず壁を立て、その周りに隙間を作り、架構や屋根を後から考えていったという。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
主寝室はカーテンのみでで仕切る潔さ。サンルームは当初窓際にもう少し小さく計画していたが、施主の要望により中に入り、より大きくなったという。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
朝目覚め、カーテンを開けるとこのような光景となる。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
子ども室は2室。鴨居の上はガラスで緩く仕切られ、非常に軽やかだ。ベッドや荷物を置くための部屋なので、勉強机はサンルーム脇に設ける予定。
左奥がトイレ・浴室。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
トイレと浴室。トップライトのある大きなトイレに浴室が挿入されたような構成。理想はオープンな浴室にしたかったそうだが、さすがに湿気が回りやすいので分離した。浴室の開口を開けると外部だが、外壁を持つ坪庭に面する。
Photo by Neoplus Sixten Inc.
いつも何かしらのチャレンジをするという藤原慎太郎さん。「大型トラックなどが頻繁に行き交う大通り沿いということもあり、騒音や振動をどう遮断するかを考えながらの設計でした。そのような状況でありながらも、静謐な空間をつくりたいと思い、内部の広がりを検討していくことで、 今回の建物が出来上がっています。」
設計・監理:藤原・室建築設計事務所
施工:堺工務店
構造:木造
規模:敷地面積181.43㎡、建築面積104.33㎡、延床面積102.67㎡
Posted by Neoplus Sixten Inc.