ライトウェルのある都市住宅

H2O Design Associates
28. 6月 2024
All photos by Neolus Sixten Inc,
幹線通りから少し入った住宅地。施主は20数年前子どもが生まれたのをきっかけにここで建売住宅を購入したが、よく考えずに購入したことを後悔していたそうで、二人の子どもが独立し、いよいよ夫婦だけの好みの住まいにするために建替えを決意した。
敷地は間口4.4m、奥行11m。ファサードは西向きで、南側にはアパートが建っているものの距離が取られているので比較的日当たりは良く、南面には庇が設けられているのが見える。
2階に文様のような格子が嵌められているのが目を引く。
玄関を入って直ぐにギャラリーとなる。
施主は日本の上質な食器や雑貨を企画し主にネットで海外に販売する会社を営んでおり、ここを商品のギャラリーや商談のスペースとして利用する。
床はスレート(玄昌石)が奥まで続き、トイレと寝室になる。
ウォークインクローゼットと連続する寝室の奥から見返す。
天井右上に見えるのは吸気と排気を機械で強制的に行う第一種換気のダクト。全ての部屋に付いていて、小屋裏に設置された機器を介して換気と熱交換を行い、常時クリーンな空気が室内に満たされている。
スレート部分は土間扱いで土足となるので、寝室と階段から裸足となる。
2階。ダイニングキッチンを中心に水回りとリビングが各所の耐力壁を利用してゾーニングされている。
夫婦二人住まいなのでダイニングテーブルはコンパクトに使えるようにした。エクステンションテーブルを選んだので、必要に応じて引き出して大人数でも使える。
棚には自社で扱う食器が並び普段使いもする。デザイナーとメーカーがコラボしたオリジナルが中心だ。
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既存の建て売り住宅では階段室が仕切られ、同じ位置にあったDKがとても暗かったそうだが、南からのたっぷりの採光で明るいDKに生まれ変わった。
水回り。こちらも二人住まいとなったことで、洗面、脱衣、トイレをまとめスペース効率を上げた。
リビングは2層吹き抜け。南向きのハイサイドライトからの外光が反射しながら空間を包み込む。
左は北側斜線による傾斜を利用した間接照明を設けた。
所々構造の柱梁を現してアクセントになっている。
ガレージの上は抜けており、周辺からの視線を遮りながら風や抜けの妨げにならないよう壁を離した。
ファサードに見えた格子は亀甲をモチーフにデザインされたスクリーン。
施主と付き合いのあるアーティストがこのために制作した。
DKの上は小屋裏。主に物干しスペースで棟木にハンガーポールが見える。
子どもたちが遊びにきた際などに寝泊まりもできる。
小屋裏に設置されたドイツ スティーベル社の熱交換換気システムの本体。外気と内気の入れ換え、内気の循環をこの機器のフィルターを通して行うそうだ。
桂野谷寿子さんと、畑中弘さん。
「子育てを終え、夫婦が理想の住まいを実現させるべく建て替えた住まいです。この都心に於いて、お二人の生活が機能的で円滑に営めることや、四季を通じて快適に過ごせることはもちろん、大切なゲストと充実した時間を過ごせるよう、コンパクトな空間にバランス良く計画しました。」
【ライトウェルのある都市住宅】
Urban housing with lightwells

設計・監理:H2Oデザインアソシエイツ
構造設計:ハブ設計
施工:神村工務店
外構アートスクリーン:西永拓郎

用 途:一戸建て住宅
構造規模:木造 地上3階建
敷地面積:62.26 m²
建築面積:35.09 m²
延床面積:61.65 m²

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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