岸本和彦による辻堂の住宅「House-H」

Neoplus Sixten Inc.
18. 5月 2015
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積122m2、建築面積35m2、延床面積93m2。木造2階建て。
正方形の傾斜地に対して立方体の建物を少し回転させ、2階の対角が東西を向くように配置した。そして東西にはコーナー窓を設け内部空間が貫通するようになっている。

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敷地の周囲は国有の売地で、美しい雑木林になっており今のところ非常に恵まれた環境だが、いつどのように変化するか分からない。

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敷地裏手より。2階西側にもコーナー窓が設けてある。
1階・2階のガルバリウム鋼板が張られた部分は居室を拡張してある。できるだけコンパクトなマッスで設計を進めるなか「もう少し部屋を広く」という施主の要望に応えたためで、内部ではこの突き出した部分を効果的に活用している。

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玄関から見るとホールが対面外部まで見通せるが、隣家があるためツバキが受け止める。

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見上げると2階までのボイドで、水平・垂直に空間が抜けている。

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玄関ホールの一直線の抜けは光沢のあるタイルで仕上げ、それを挟むように左右は床の仕上げも変え、黒いレイヤーを立てることでその抜けを強調しているのが分かる。
左奥は水回り。

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半地下の納戸へ降りる階段室の片面には大きな書棚。

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玄関横の障子を開けると寝室。右手前には床の間をイメージした腰掛け。

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寝室。紺色の和紙壁紙が貼られているのが外に突き出した部分。出幅の分上部にトップライトを設け表情が豊かになっている。

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床のタイル、障子の組子、書棚の棚寸法は全て同じ。

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浴室の奥から勝手口のように物干しテラスへ出られる。また、海から帰ってきてそのまま浴室へ入れることができる。

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2階へ上がって振り返る。
左下の斜めの壁が玄関ホールの角度で、上部の黒い壁が45度回転した東西を貫く2階の抜けの角度。

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(筆者のカメラの限界で撮った)東西のコーナー窓。北側のコーナーにはキッチンが納まる。

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西側を見る。この季節(5月)には太陽の昇り・沈みが良く見え、夕日が水平に対角を照らすそうだ。

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東側を見る。右の壁に見える開口は、上からエアコン、AVラック、吹き抜け。壁の裏側は和室。

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吹き抜けの見下ろし。

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和室の突き出し部分も寝室と同様に仕上げてある。

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和室奥から。

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トップライトを見上げると梁が見える。白い内側の壁と青い外側の壁を構造的に一つに繋ぐためだ。

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キッチンの開口は1階階段室と同じような形状。

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北側の角に納まるためホームベース型だ。

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岸本和彦さん。「ここは熟年夫妻の終の棲家です。コンパクトで慎ましやか、法定建蔽いっぱいの建物は全く不要です。しかしコンパクトだからといって窮屈にならないように抜けを大切にしました。それにより夫婦のつかず離れずの心地良い距離感が保てるようになると思います。」

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