木下昌大による千葉の週末住宅「山の家」
Neoplus Sixten Inc.
9. 6月 2015
Photo by Neoplus Sixten Inc.
木下昌大 (Masahiro Kinoshita / KINO architects) による千葉県の山中にある週末住宅「山の家」を見学してきました。[Mountain House]
敷地面積6,458m2、建築面積188m2、延床面積161m2。木造+一部S造、2階建て。
緑溢れる山間の広大な敷地に、十字型の黒い建物がポンと置かれたような雰囲気。
南北の軸を少しずらし、どの部屋へも陽が入るように配置。十字型により自然に触れる面積を増やし、各部屋からは同じ自然でも少しずつ表情が異なる眺めになるような計画。
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敷地の端には10台以上が停められそうな駐車スペース。右側の木々も敷地内で15m程下には川遊びも出来るせせらぎがある。
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よく手入れされた芝生にアプローチが弧を描く。周囲には四季それぞれ表情を変えるカツラ、シラカシ、ナツハゼが植わる。
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南側は一面の芝生。施主はほぼ毎週末訪れ芝の手入れをするそうだが、これだけ広いと乗用芝刈機を使っても数時間を要する。
ここまできれいにするにはかなり苦労があったそうで、長年放置され大変荒れた敷地だったため、まずは整地というより開墾に近い作業が必要だったという。
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アプローチから玄関へ。
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玄関を入って左は客間。右はリビング・ダイニングへ。
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リビング・ダイニング。L字型の大開口に対して左にダイニングとキッチン。右にリビング、工作室とが面する。
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シンプルなインテリア。「設計的には、やろうと思えば何でもできるところですが、自然と静かに向き合うことが前提なので落ち着いたシンプルな仕上げにしました。」と木下さん
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キッチン上の2階はカーペット敷きのプレイルーム。寝転がりながら満天の星空を眺めることも出来る。
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リビングの奥から。正面は玄関へ通じる。
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建物の中心にはオーブン付きの薪ストーブが鎮座する。冬に向けて薪を割るのもここでの過ごし方の一つだ。
次に、右奥の水回りや寝室へ進む。
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浴槽は家族皆で入れる位のサイズがある。掘り下げて緑と空を眺められる。
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こちらも全員で寝られるよう広めの寝室(約10畳)。額縁のように切り取られた庭と和室が調和している。
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リビングへ戻りテラスへ。テラスへの出入りは実は両翼一枚ずつの扉だけで、間のガラスは全てフィックス。開閉部が少ないうえに引戸ではなく扉にしたのは隙間をできにくくし、虫の侵入を最小限にするためだ。
また天井に2本H鋼の梁が見えるが、テラスの鉄柱へ接続しこの入隅部分の屋根を支えている。それによりサッシュのフレームは構造でなくのるので細くすることができる
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テラスからはこの眺め。敷地境界はここから60mほど先と思われる。施主は「仲間がたくさん集まれる場所にしたい。」と望み実際テントが幾つも張られたキャンプ大会も催された。
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テラスは地面より少し持ち上げられているが、 “動物が棲み着かないように” と側面を塞いである。
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この日は午前中雨模様だったが昼には雨も上がり、バーベキューで昼食をご馳走になった。
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木下昌大さん。「山と空が連続し輪郭が曖昧で、かつこれだけ広い敷地に初めは圧倒されました。しかもここでは何でも作れてしまいますし、どんな形をどこにでも置くことができてしまう難しさがありました。そこで周囲の自然を背景にした建物をそっと置き、4つの入隅によって4つの庭を作り、漠然と広がっていた自然と建物を無理なく繋げ、自然と人との幸せな関係もサポートできるよう目指しました。」