浅利幸男による目黒の住宅「八雲の家」
浅利幸男/ラブアーキテクチャー (Yukio Asari / Love Architecture) による目黒区の住宅「八雲の家」のオープンハウスに行ってきました。
敷地面積132m2、建築面積66m2、延床面積158m2。RC造+木造、地下1階、地上2階建て。
手前の外壁には左奥に積んである石を貼り込み、建物との間に屋根を付け自転車置き場になる。
ファサードの仕上げにはモルタル補修材を使用し、エイジングが進行したような風合いに工夫した。
南向きだが開口は控えめ。内部への採光はどのようにしているだろうか。
玄関扉を囲む庇は、鉄板にリン酸処理亜鉛メッキが施されている。
玄関に入ると、足元にはモルタルに埋め込まれた御影石。不均質な石を選んでいるが、こういった “味” のある石は通常不良品扱いで出回らないので、見付けるのに苦労したそうだ。
奥へ進むと建物の中央に中庭。ここを中心に各部屋へ採光し、北側に水回り、西側に主寝室。
中庭に面したの南側には子ども室が二つ。
見上げると斜めの天井の奥に、スリット状の開口が覗いていて中はピアノ室に。
北側の床には地下室への明かり採りが開けてある。
右の引戸内にはエレベーターが納まる。
水回り。
主寝室。
主寝室から中庭を見る。植わるのはシャラ。先ほど見えた斜めの天井は上が階段になっているのが分かった。
地下へ降りて見上げる。階段室の奥側(頭上)にも明かり採りがある。
地下はホビールーム。筆者の背後に納戸が続く。
2階へ上がると前出の階段が目の前に現れるが、こんなに大きな階段だったとは。
そして振り返るとこんな所に腰掛け。
地下室へはトップライトから光が導かれているのが分かる。
屋上へ。
屋上はT字型で様々な植物が植わっている。右には腰掛けが設えてあり、その背後が建物の正面だ。
(植栽はモダンリビングによるコーディネート)
屋上はリビング側にも通じておりここにも腰掛け。回遊しながら沢山の居場所がある。
右の階段を降りてきてリビングダイニングを眺める。壁はすさを混入させた土壁で仕上げられている。
ソファはミノッティだ。
奥に最初の階段。回ってきたのがお分かりだろうか。
ダイニングテーブルは造り付け。最初の写真の左側に見えた縦スリット窓がこのダイニングと連続している。左にキッチン、トイレ、ピアノ室と続く。
キッチンは外観正面から見えた出っ張りの部分で、東西に開口してあり手元がとても明るい。
家事がまとめてできるよう洗濯機も納まる。
キッチン側から見た中庭。
「日本の住宅設備や建材はとてもきれいで良いのですが、経年や素材感からくる風合いを出すのは非常に難しくいつも苦労します。」
「子どもが豊に暮らせる空間を目指しました。立体的な回遊性を持たせ、ドラマチックな光の変化が時間毎、日毎、季節毎に変わり、そして植物も姿を変えていくそんな多様性のある住宅です。」と浅利幸男さん。