松島潤平+青山文吾によるマンションリノベーション「Text」

Neoplus Sixten Inc.
22. 6月 2015
Photo by Neoplus Sixten Inc.

施主はリノベに当たって寝室や将来の子供室を、と考えてしまうと既存と変わらなくなってしまうので、大きな1K空間にしたいと望んだ。

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既存の仕上げを剥がし現れた躯対は水平垂直が大きく歪み、壁や天井も波打ち、、、

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それはあたかも洞窟のようだったという。

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コンクリートの中には施工時の “忘れ物” 、何かのビニール片やタバコの吸い殻が40数年の時を超え姿を見せた。
 

型枠の大きさも材質もまちまちで、住宅供給が急がれていた頃の様子が伺える。

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玄関から上がり左を見る。全体を白く塗ることも検討したが、ベッドスペースとの境界を示すための塗り分けに留めメリハリを持たせた。

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ベッドスペースから。

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室内奥から見返す。
 

奥さまはグリーンコーディネーターで、夫婦揃って植物が大好き。部屋の中央にはフィスカ・ウンベラータの株分け用の親木が存在感を出している。天井に付くスポットライトの多くは植物の為に設置したもの。

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ハンモックを吊すためにアンカーボルトを打たなければならいかなと思ったが、天井にはなぜかピンが打てる孔が幾つもありそれを利用した。

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キッチンはIKEA製で設えた。
 

壁の中央の開口は浴室へ。

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浴室は全面FRP防水に作り替えた。
 

開口は既存では開閉し換気窓として機能していたが、浴室乾燥機を取り付けたのでFIXとした。

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テレビは無く、天井に設置したプロジェクターで映画などをみることが多いそうだ。

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食事はカウンターテーブルで。

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躯体にはC型セパレーターが沢山頭を出していたので、グラインダーで滑らかにしたところ(左)、マグネットを使って自在にディスプレーができるようになった。

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照明スイッチパネル。最近トグルスイッチは珍しくないが、美しい削り出しのオーディオ用つまみを調光に流用した。

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松島潤平さん(左)と、施主ご夫妻であるグラフィックデザイナー/アートディレクターの青山文吾さん、グリーンコーディネイターの中口昌子さん。

「 “Text” とはお施主さんのお名前一字からの引用でもあるのですが、『仕上げ=テクスチャー』をレイヤードするのではなく、新たに手を加えながらも『原本=テクスト』への回帰、テクスチャーの前の世界『テクストの空間』になるようデザインしました。また躯体の歪みが激しいため、歪みを均すように仕上げをした場合かなりの気積が喪失してしまいます。仕上げが無いことで気積は約1.15倍になり拡がりを持たせることが出来ました。」

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