ninkipen! による「Soup Stock Tokyo中目黒店」
ninkipen!, Neoplus Sixten Inc.
1. 12月 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.
「Soup Stock Tokyo中目黒店」の内覧会に行って来ました。場所は中目黒駅に誕生した新しい商業施設「中目黒高架下」内、蔦谷書店の向かい。今津康夫が主宰する大阪の一級建築士事務所ninkipen!(ニンキペン!)が店舗デザインを手掛けた。
Soup Stock Tokyo(スープ ストックトーキョー)は株式会社スマイルズが展開するスープ専門店。
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ガラスウィンドウ越しのオリジナルサイン。
ウィンドウの大部分をコンクリートの巨大な柱が占めていたため、通常の店舗のサインを導入することは困難であった。柱には釘を打ってはいけない制約もあり、空気圧で大玉ころがしに用いる玉を挟むだけというサインを考案した。
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ガラスウィンドウのなかでもう一つ目を引くのがこちらの「スープの泉」と呼ばれるディスプレイ。
「スープが店内を満たすイメージです。既存のSoup Stock Tokyoの店舗でも”スープ”はデザイン・キーワードとして取り入れられてきましたが、もっと抽象化したスープの表現をしたいと思い、"スープの床"を作ることにしました」と今津さん。
傾いたスープカップからあふれ出るテラゾーが、実際に店内の床一面に広がっている。テラゾー床には、ジャガイモ、人参、ブロッコリーなどスープの具材をイメージした砕石が混ぜてある。
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店内を構成するのは、その他にもコンクリート、タイル、木、真ちゅう等さまざまな素材。タイルはスマイルズ社長である遠山正道の作品。常滑で絵付けし焼き上げた。
中央には、塊のカウンター席。窓際に44席とテラスが12席ある。奥の柱の先に客席が続く。
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高架橋整備用のハッチがある場所にはあえてタラップを立て、空間のアクセントに。
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エントランス方向見返し。エントランスに立つ木の柱は曲がったものを選択している。お辞儀をして出迎えているイメージだ。
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奥の客席には、かこみで座る大きなテーブルがあり、椅子は様々な種類が用意されている。輝く金色の囲いは厨房への入口。
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今回今津さんが提案したのは「3つの柱」を軸としたコンセプトである。高架を支える土木の柱、天井を支える建築の柱、そして意匠として空間を豊かにするインテリアの柱。土木の柱は大きいもので太さが1.1m×1.9mある。それらを組み合わせることで、場所性をdevelopさせた。
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木の柱。栗の木を六角名栗したもの。
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ninkipen!の今津康夫さん。
「高架下の店舗という今までにはない条件下のもとで、何ができるかを考えていきました。素材の味を生かしたスープ専門店ですので、店舗デザインにも素材の表情を活かすこと、そしてこの場所でしかできない空間にすることを大切にしました」