永山祐子による「also Soup Stock Tokyo」

Neoplus Sixten Inc.
6. 6月 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.

 敷地面積56m2、延床面積78m2。S造3階建て。カトレア通りを北に1~2分ほど歩いた右手にある。

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ビルのオーナーは左のオクズミビルのオーナーでもある奥角氏。自由が丘の街並みを良くするために尽力している商店会の重鎮だ。今回このテナント募集にあたって、自由が丘の街づくりに貢献してもらえる事業プロポーザルの形を取り、Soup Stock Tokyo(=スマイルズ)が選定され、建築設計は永山さんに声が掛かったというわけだ。

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「also」は Soup Stock Tokyoの新業態で、食べるスープを基本としながらも、大皿料理や、ランチプレート、契約農家から直送される野菜料理など、イートインがメインで通常よりもレストラン色が強調されている。ちなみにロゴデザインはスマイルズ代表の遠山正道氏による。

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街並みと一体となるよう全面ガラスと、建物の角を全開にできるので2つの通りを繋ぐ空地のような存在で、角をショートカットするのに使われてしまいそうなほど風通しが良い。

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南面から店内がよく見える。客席フロアが1階から3階にかけて交互に配されている。各階ハイサイドの片開き扉が設えられ(1階厨房は閉じた状態)、建物が街の空気を呼吸してるように見える。

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1階。2階フロアを後退させ吹き抜けに。2階も3階までの吹き抜けになっているので、視線が3階天井まで届く。通常は大テープルと長いすが2セットレイアウトされるそうだ。

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二面の大開口により気分的には屋外で、床の仕上げも土間のようになっている。逆さに吊されたプランターが通りからも目を引く。当然水は垂れてこないような工夫がされており、成長すると植物は徐々に上を向いていくとのこと。

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通常のスープストックとのもう一つの違いがアルコール類の提供があること。これにより店の雰囲気が変わるだろう。

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2階も吹き抜け。通常は12席のテーブル席と、奥の半個室に5人ほど掛けられる。テーブルはオリジナルで、椅子はマルニ木工。

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今回大切したのは「肌理(きめ)」だという永山さん。大きく見ればファサードのフレームは街の肌理。内壁には特殊塗装によるテクスチャーで肌理を表現。

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サッシュのグレーは微妙に濃度が異なる。色彩的にも単色で滑らかにし過ぎない肌理細かさ。

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 ガラスの網を縦横と斜めの二種類を使った、隠し肌理表現。

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客席を多く取ることより気積を多く取り、ゆったりと開放的な空間づくりを優先した。

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3階バルコニー席にはオーニングも付く。あまりこの高さで食事ができるところが少ない自由が丘だが、3階のアイレベルには以外にも多くの緑があった。

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隣のオクズミビルの外壁は一部を白く塗り直し、プロジェクターのスクリーン代わりにし、何かのイベントで使えるようにもしてみた。1階から3階までそれぞれフロアの性格が異なっている。来る度に違うフロアに座って楽しめるのだ。

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通常店舗にはないalsoオリジナルメニューはフードプランナー桑折敦子による。ランチメニューは、メインのスープ料理を中心にご飯やパン、副菜、小さなスープがついて¥1,250~

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ディナーメニュー。右がその日入った魚のアクアパッツァ(¥3,400)。左奥が牛すね肉の赤ワインのボルシチ(¥3,600)。魚が丸ごと入る楕円のオリジナルアルミ鍋や、復刻で製作してもらった鉄鍋など。

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 ハーブティー、デザートも。

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永山祐子さんと、スマイルズ代表・遠山正道さん。「自由が丘の魅力は皆が心地良く感じるヒューマンスケールにあると思います。ファサードのフレームは住宅の窓っぽいが少し大きい曖昧なスケール感にしています。窓の大きさ開き方も含め細かな振る舞いがこのお店の大切な要素として慎重に検討しました。」と永山さん
 

「お酒とそれに合うメニューをお出しする、スープストックトーキョーの新しいチャレンジです。夜の自由が丘の表情が少し変わる切っ掛けになるといいですね。」と遠山さん。

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